小銭が好きで、夜が好き。

夜っていいですよね。

このタイトルは、松本人志氏の「寸止め海峡」というコントライブで、

夜道を歩く英国紳士的な松ちゃんが呟く台詞なんですが

初めて耳にしたときのおもしろ切なさのインパクトが凄くて、

20年以上経った今でもすごく心に残っています。

 

寸止め海峡やVISUALBUMとか観てても

 当時の松ちゃんは稀代の芸術家くらいの尖りようで、

絶対結婚とかしなさそうな感じだったのに

今では憑きものが落ちたみたいに、結婚して普通に1児のパパやったりしてて

あんなに尖ってた人でも、普通の幸せというか

「普通が幸せ」と感じているかのように見えるところが

年を重ねるって凄いな、愛の力って凄いなと思います。

 

そういえば私が結婚したのも、

ちょうど寸止め海峡が発売された頃くらいだったかな。

20代前半で結婚して、6年くらいで離婚して。

娘を連れて出てきて、そこから長いこと普通のOLやって

ずっと働いてきたんですけど、

普通のOLってめっちゃしんどかったです。

でも子どもができたら、普通の社会人にならなきゃいけないんだって

すごく思ってましたね。

離婚しといて何言ってんだって話ですけど、

もともとあんまり常識に対する情報量が足りてなくて。

 

私の母も離婚してて、ずっと水商売やってて

夜はその辺に転がされて育って、

朝も母とその彼氏が寝てるのを起こさないように

そーっと着替えて玄関閉めて学校行くからほぼ遅刻、みたいな。

今でいうネグレクトみたいな感じで育ってて、

それはそれで嫌いじゃなかったんですよ。一人で過ごす夜とか。

ただ、子ども心に「この環境はあんまり普通じゃないんだろうな」

という自覚はなんとなくあって。

 

それで大人になってから、見よう見まねで

頑張って「普通」をやってたつもりだったんですけど、

結果的にあんまり普通じゃなかったかもしれないというアレです。

 

話が逸れましたが、夜が好きって話で。

ブログを書いたり、依頼されたコラムを書く時間帯を

どこにもっていこうかっていうので、

「朝活」とかいって、朝から思索にふけったり

フリーランスでも9時5時で働くんだつって、何かかっこいいなと思って

最初は朝や昼に書いてみたんですけど、

これが笑えるくらい書けなくて。

 

100文字書いてはコーヒー入れて、

100文字書いては携帯開けてみたいな感じで

めっちゃウロウロするんですよ。時給300円くらいしか働けない。

それで試しに22時以降から始めてみたら

もうサクサクですよ。開けたてのスナック菓子くらい。

それで気が付いたら2時間とか平気でたってる。

「ああ、これが噂のフローってやつかな」と思ったけど違うのかな。

それからは朝のかっこいいの諦めて、大体夜に書いています。

時々、子どもだった頃のことも思い出したりして。

寂しいんだけど静かで落ち着いてて、窓から月が見えたりして。

夜って、いいですよね。

 

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